ここ数日没頭して読んでいるのが

3000枚の金貨 著 宮本輝神々しい表紙とタイトルがいつもの作品とは趣の異なりを感じて
出版されてからしばたくたつというのにあまり手に取る気にならなかった。
宮本さんの本はとても怖いのです。
何も手に付かなくなるほど没頭していしまう面白さ。
本を無理矢理置いても頭の中は物語のことで一杯になってくる。
そして、ニヤニヤとまたもや挙動不審。
危険な本なのに、大抵上下巻という罪な作品ばかり。
秋になって、やっぱりと読み出しはじめて
ニヤニヤしている自分がいるけれど
その前に読んだ30光年の星の星たちにも感じたこと。
流転の海シリーズは始まった時と同じ感覚なのだけれど
やっぱりたくさんの物語を生み出して行く名手ならではの
こなれた感じがあって、
この本も上巻は話の背景や設定に終始していつ?いつ!いつ!
と、読者を焦りとは言わないまでも握りこぶしに力がはいる!
じらしてじらしてじらしている。
その”ため”の様なところがやはり円熟味というのだろう。
すべてに、100%の力は若い人だけでよろしい。。なんて
スポーツ選手の競技のようなベテランの感覚に
頼もしさを感じたりするわけです。
三千枚の金貨はその名の通り、金貨にまつわる話。
名も知らぬ男性が埋めたという金貨三千枚をみつけたらあげると言われたのを
ずうっとあとに思い出して男女4人でそれをたぐってゆく。
その過程で出会う人々、戦前からの回想から現代まで
物語でなければありえない、だけれどどこか現実にも存在していそうな人々の話が
幾重にも重なり、様々にちりばめられている。
やっぱり、この本は宮本氏が生み出す物語以外の何者でもない。
面白いだけでなく、じーんと心に響く鐘の音色が何色にも変わって行くようなそんな読了感。
この本を手にしたとき、3000枚の金貨(時価1億)を手にした夢想の時間が、、、
私にはまたとても楽しかったのです。