同じ轍。
2018年 01月 29日
とても素敵なまちかどアートな本。
まちの中のトタンだけの写真。
気合が違う。
でも、肩に力は入っていない。
この本、とても嬉しくなるような本で
トタンという素材は
安価で、安普請の材料の筆頭なのに
この形の面白さは
実は面白さだけでなく機能がそこにあって
壁にも使えるし、屋根にも使えるし
重くないから、施工も楽だし。構造にも負担を持たせない。
優れものなんだけど。
トタン=チープという先入観で
ラフに扱われ、錆が出たり、朽ちたりすると
パッチワークのように継ぎを当てられる。
雨に打たれて、日に焼けて
自然と戦いながら変わっていく様が
さびれる美しさを表して浮く。
連鎖のような負の変化の中で生まれる強靭さがたまらないのです。
でも、こういう暮らしの中で生まれてくる美に対して
先の先入観からか、人の目に止まりにくく、素通りされてしまうんだろう。
数年前に出版されて、増版されたのかしなかったのか、、あっという間の絶版で
今や幻の1冊になってるのでしょう。
マニアの中での1冊になって
すごい値段になってる。
出版社なら、この本が爆発的に売れるなんて思ってもいないだろうし
たぶんこんな風に絶版になるのなんてわかっているはず。
遺産のような本がこんな風に見捨てられる。
なぜ、もっと長い目で、ゆっくりと販売しないのか
同じ轍を踏んでいく様が悲しい。
でも、本になったことで、記録的意味合いにはなっているわけで
出版したことにはとても感謝してる。
だからこそ、もっと長い目で見て欲しいのです。
愛おしくなるアートな1冊です。
by sola-1-sola
| 2018-01-29 08:56
| 本