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時間でわかるもの。

建物は人間の作るものの中で長く持つもののひとつだと思う。

時間でわかるもの。_c0199462_9455672.jpg


マンションを探して歩いていたときに気づいたことは
真新しいマンションにはわからないものが年月を経たものには如実に表れるということ。
10年以上経つとまるでそれぞれに趣が変わってくるのだ。
きちんと建てられたものはどこかに風格が現れて来る。

先日、母と話をしていたのだが
ある親戚の家が古い戦後の建物を壊して新しく建て直し10年近く経たとき
昔の家の方が風格を感じたよねーと。

新しいうちはその汚れも少ない綺麗なこともあってそれぞれがよく見える。。。
そんな建物も時間が経つと古くなってただみすぼらしくなるものと風格を持つものが出来る。

戦後に建てられた家は
農家の家だったから、土間のかまどのあった台所に、五右衛門風呂。
重い土瓦の屋根。当時の規制で中二階家にしたその家の背の低いどっしりとした家。
華美なものなど何もないのだけれど
深く大きくかぶった屋根。伸びる軒。
田の字に作られた間取りの家は変化自在に変わる家でもあった。
今の家とは違って大きな部材を使い、大黒柱も1尺角のケヤキの柱だった。
朴訥とした住宅はもちろん今の生活様式には合なくなっていた。

冬にはキーーーンと寒さが滲みる。
夏開け放した開口部からは風がさやさやと抜けて気持ちがよかった。

時間は何を育てるのだろうか。。

ごまかしのない作りも、全うな材料も、そこに住まい人の思いも
それぞれが風格を産んでいるのかもしれない。
いまの新しい家がみすぼらしいわけでもないし、快適度から言えば雲泥の差だろう。
それでもわたしには昔ながらの家に愛着を感じるのである。
もっといまの暮らしに見合った改造も、回収だって可能だし
同じに作るにはちょっと時間も価格も膨らむことは間違いはないけど
風格を持つ建物が当たり前になればそれだって気になることはない筈である。
それって建物に限ったことではない。

ごまかしのないものを作る、今の時代、意識しないと出来ないことだけど
意識すればまだできるのだ。
そんなものをつくらなきゃね。
by sola-1-sola | 2010-01-12 08:49 | 建物

小さな玉から見えてくる世界とか。


by そら
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